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  • 執筆者の写真上田比呂志

愛と憎しみは同じ線上で何時もバランスを取り合っている。

愛しすぎてはいけない。


愛しすぎは時に暗闇の気配と共に 人の克己心を打ち砕き怨念を爆発させ狂気へと誘う。


最初は小さな蒼き炎だったがそれが重なり合うと炎上し大きな憎しみを生み出す。 どうすることも出来ない心の痛みを持てあました時冷ややかな平穏さを纏いながらパンドラの箱がそっと開かれる。


愛と憎しみは同じ線上で何時もバランスを取り合っている。 だから時には自分の心を労ってあげる事も必要だ。バランスを崩さないように。 決して開けてはならないパンドラの箱を心の奥に深く沈めるように。


その列車には色々な人生の荷物を抱えた人か乗っていた。12人の裁判員は愛くるしい女の子を無残に殺害した男に憎しみの罰を与えるべく同じ列車に乗り込む。


あまりにも苦しく砕け散った魂のかけらが重なり合い悲劇のジョーカーを生み出す。


小学生の頃初めて読んだ推理小説だった。その時の深い悲しみの残り香の感触を覚えている。


原作 アガサ・クリスティー 監督 ケネス・ブラナー


エルキュールポワロ 映画 「オリエント急行殺人事件」






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