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  • 執筆者の写真上田比呂志

「恥が心を鍛える」


「もったいない」という言葉があります。これは今や世界共通言語になっておりますが、

なぜこの言葉が共通語になってたかというとそこに宿る日本の国独自の感覚を表現する言葉がほかにないからです。こうした言葉は、時代を越えて共通する感覚であり、先人達の残した知恵なのです。


同様に日本には古来から「みっともない」という言葉がありました。

みっともないとは、「見たくもなし」が転じてできた言葉で、見苦しい、恥ずかしいという意味です。


この感覚は、とても大切なもので、「みっともないことはしたくない」と己の行動を自制してくれます。


「何てみっともないことをしてしまったのだろう」と感じることができれば、その過ちを繰り返さないようにと行動を変えていくことができます。


私が生まれ育った料亭では接客する側がお客様を楽しませるのが当たり前です。


しかし、粋な遊びに通じている客の側にも、場を盛り上げることができなければ恥ずかしいという意識がありました。ですから、旦那衆は忙しい合間を縫って小唄の稽古を受けていたのです。


自らも参加してその場を楽しむ。芸者を楽しませることのできる旦那こそ粋だと言われていたのです。


これが日本文化なのです。


この感覚を身に付ける為には優れた人の中に身を置く事です。あの方にみっともないことと思われないようにしようと思うとそこに学ぶ心、自制の心が働いてくるのです。


トイレを使った後はきちんとスリッパを並べる、ゴミやたばこのポイ捨てはしないなど当たり前のことを当たり前にやる為に必要な感覚なのです。


昔の人は、朝一番で太陽を拝み、一日お天道様に恥じないように生きようと誓ったものです。


私達もこの感覚を大切にしていきたいと感じます。


「あなたにとって一番恥ずかしいと思うことは何ですか?」

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