• 上田比呂志

言葉は時として一瞬で人を殺し、一瞬で幸せにできる。

天国と地獄を同時に見せてくれる映画だった。天国が思いやる心なら地獄はエゴ。

自分が思いやり言葉を投げかけているつもりでも受け取る側にはただのエゴに聞こえる事もある。それは心を傷つけ蝕んでいく。


貧困は心を蝕み正しき事が見えなく聞こえなくしてしまう。さりげなく投げかけられた言葉に反応して悪魔が顔を出す。この映画場合のキーワードは匂い。

裕福過ぎる事も時として同じ現象をもたらす。そういう意味で貧困と裕福は同じ船上に共存する。何方も自分なりに正当と思うエゴを剥き出しにして戦い合う。


この映画がハリウッドで評価されるのも理解できる。自分が何気なく言った言葉が人を殺していたのではないかとドキッとさせる人が多くいたのではないか。


言葉は時として一瞬で人を殺し、一瞬で幸せにできる。自らの足元を見つめさせてくれる映画だった。


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